お茶づくりが家業である家に生まれ育ち、静岡にある農林水産省の研修施設でお茶づくりを学びました。人とは違うことに挑戦したいと、さまざまな品種の栽培、製茶に取り組んでいます。
新しい品種は、栽培に取り組んでから安定するまで8年ほどかかります。土づくりから始まって、最新機器を導入した工場の数値管理にも目配りをしなければならない茶づくりは大変なこともありますが、本当に美味しいお茶を作るためには必要なこと。
苦労をいとわず試行錯誤の連続の中から生まれたお茶は、全国茶品評会でも評価いただき、農林水産大臣賞を受賞いたしました。「今まで一生懸命やってきたことは間違いではなかったんだ」と太鼓判を押していただいたような気持ちです。
暮らしの中で、ほっとする時間を彩るお茶。毎日飲むものですから、美味しいだけでなくお求めやすく皆様に提供したい。その思いを胸に、茶畑にふりそそぐ太陽の光の中、わたしたちは今日もお茶づくりのために情熱をかたむけています。
おいしさの秘密
五感を研ぎ澄まし、感覚を磨いています。
わたしたちの茶畑では、旨味成分が多く、渋みの少ない当店自慢のお茶「幻の茶 おくゆたか」をはじめ、美しい水色とさっぱりとした後口のお茶「朝露」、味・色・香りともにバランスのとれたまろやかなお茶「やぶきた」などを生産しています。
鹿児島・知覧の土壌でそれぞれの品種の特徴をどうしたら最大限に引き出すことができるかと常に考え、栽培の段階で天然のミネラルを加えるなどの工夫をしています。
製茶の段階では、天候や時間帯によっても変化する茶葉の状態を見極め、蒸しや火入れの時間を微妙に調整します。
そして最終的に味をきめるのは、やはり「人」。わたしたち生産者は、日々自分の目と舌を磨き、お客様が飲んだ時に味の違いをはっきりと感じていただけるような美味しい茶作りに精進しています。
安心安全への配慮
「農家の人は自分たちの分は別に作っているんでしょう?」と知人に聞かれたことがあります。食の安全性に関心が集まる中、農薬を使用しているかどうかは気になるのも当然ですよね。
浮辺製茶では、完全無農薬ではありませんが、体に悪影響を与えるような化学農薬は極力使用せず、新芽が出てからは一切散布しておりません。
経理を見ていただいている税理士さんが、「売上額に対して農薬の量がすごく少ない!」と驚かれたほどです。生産者である私たちはもちろん、わが家の子どもたち3人も赤ちゃんのときからお客様に販売しているものと同じお茶を飲んでいます。だから、安心してお飲みいただけると自信を持ってお薦めできるのです。
お求めやすい価格
そのために生産方法・販売方法にも
工夫を重ねています。
手間ひまをかけて、最高の環境で作られた価格の高いお茶が美味しいのは当然のこと。ときにはそんな極上のお茶で贅沢なひとときを過ごすのも素敵です。一方で、値段の違いがお茶の違いと思われているお客様が多いのは少し残念な気がします。
お茶は毎日飲むものだからこそ、身近な価格で美味しい一杯を楽しんでいただきたい。だから単純作業には最新機器を積極的にとり入れて、質の高いお茶を効率良く生産することを心掛けています。また、お茶通販サイトからお客様に直売する仕組みを取り入れ、お求めやすい価格でのご提供も可能になりました。
だから「この価格でこの美味しさはすごい!」と思っていただけるようなお茶をお届けできるのです。
「お茶の春一番」のお茶は、浮辺製茶が作ります
浮辺製茶は昭和43年に鹿児島県川辺郡知覧町で会社設立。現在、植栽面積40ha分の系列農家の生葉を製造しています。常に研究を怠らず、最新設備を活用して上質なお茶を低価格で提供することを実現し、自家製肥料や土壌研究などにより農薬量も極力減らしました。
生産するお茶の品質は全国的にも評価が高く、品評会での受賞歴も多数。その美味しく安全なお茶づくりで、全国各地のお茶どころからたくさんの方が研修視察に来られます。
水にこだわっています
蒸しに使う水には、医療機関で使われている浄水器(リバース・オズモシス)を使用。カルキをはじめ不純物を一切除いた水で蒸しています。水のクラスターも小さくなって蒸しがとおりやすく、色や風味が保たれたまま製造ができます。
エコファーマーに認定されています
環境にやさしい農業をめざす農家として、鹿児島県知事よりエコファーマー認定を受けました。
お茶は洗って食べるものではありません。安心してお飲みいただけるように、栽培の段階から農薬をぎりぎりまで低減しつつ、生産性と品質を落とさない農業に取り組んでいます。